更新日:2023年7月6日
コバエ対策
毎年、コバエ(黒い小さな虫)が市内各地で発生しています。
クロバネキノコバエの対策用チラシ


発生地域
平成22年頃から発生しており、当初は市の南部から多く情報が寄せられていました。
現在は市内のほぼ全域で発生しています。
近隣市および全国的な発生状況(昨年まで)
岐阜県内でも東濃、中濃、岐阜地区の市町、瀬戸市、豊田市、豊橋市等でも同様の虫と思われる目撃情報があります。
全国的には、静岡県、京都府、広島県でも発生しています。
コバエの特徴
コバエの特徴についてこれまでに得られた情報は以下のとおりです。
- 小さな黒い虫で、網戸のメッシュやサッシの隙間などをくぐって室内に入ってくる(窓が閉まっていても侵入してくる)。
- 白などの明るい色のものに引き寄せられている 。
- 朝方(午前6時ごろから午前10時ごろ)飛び回り、日中気温が高くなると死んで落ちるが、気候によっては一日中飛び回ることもある。
- 発生条件は気温30℃、湿度70%程度と思われる 。
- 手足や顔などを這い回る 。
コバエの種類
市之倉地内で採取したコバエを、静岡大学農学部の田上准教授に鑑定していただきました。
結果は以下のとおりです。
- 分類について
市内で発生したコバエの種類は、シズオカコヒゲクロバネキノコバエ(Epidapus.sp)と同種、または近縁種と思われます。
※送付したサンプルの中に交尾器による同定のために必要なオスがほとんど見つかっていないため、正確な種同定には至っていません。
- 体長・体色
- メスの体長は約2.5mmとチビ(チバ)クロバネキノコバエに比べ、サイズは小さめである
- 体色は黒っぽい
- 分布
現在、同種の発生が確認できているのは、静岡県内の東・中・西部と愛知県豊橋市です。
また、多治見市と同じと思われるコバエの相談が土岐市、瑞浪市、瀬戸市の市役所にも寄せられています 。
- 発生時期
通常、梅雨時期(6月~7月中旬)に発生します。
※年によってはあまり発生しない場合や、秋季に発生する場合があります。
- 発生条件・環境
湿度の高い条件で発生しやすいですが、大雨では発生しません。また、梅雨の合間の晴れ間も比較的よく発生します。
時間帯では、午前9時前後までの間に多く発生します。
- 生活環
きちんとした生活環はわかっていませんが、25℃ぐらいであれば概ね1ヶ月程度で羽化します。
正確な発生場所についてもまだわかっていません。
2~6については、静岡県で発生した虫について調査した情報です。
調査
多治見市では、平成24年から平成27年に、市之倉地区を中心にコバエの調査を行いました。
平成24年度調査
内容:発生源、生態の調査
結果:発生源の特定は不能(捕獲用トラップを町内各所に設置しましたが十分な捕獲ができませんでした)。
- 寄り付きやすい場所として、地形的な特徴(吹き溜まり)や明るい色の壁面が考えられます。
- 発生の気象条件の目安として、温度30℃、湿度70%
平成25年度調査
内容:発生状況の調査、家庭でできる家屋への侵入対策の検証
結果
- 残留性のある殺虫剤を窓に塗布して効果を検証:ある程度の効果がみられました 。
- 取りつきやすい色等の調査:明るい色で集まりやすい傾向がありました。
- 家庭用プランター等の土壌中での繁殖状況の調査:腐葉土での増殖が確認されました。
- 防虫効果のある網戸を設置して効果を検証:あまり効果がみられませんでした 。
- 風向き等から推測される発生源での生息調査:発生源の特定はできませんでした。
平成25年度調査報告書(PDF:2,320KB)
平成26年度調査
内容:発生源の調査、家庭でできる家屋への侵入対策と捕虫対策の検証
学校での侵入対策と捕虫対策の検証
結果
(家庭)
- 窓枠への殺虫剤を塗布して効果を検証:ある程度の効果が確認されました。
- 雨どいを利用したトラップを窓枠下に設置して効果を検証:ある程度の効果が確認されました。
(学校)
- 窓枠に網戸を設置して効果を検証:ある程度の効果が確認されました 。
- 教室のロッカーの上に捕虫器を設置して効果を検証:あまり効果が見られませんでした。
- ベランダの窓の下あたりに捕虫紙を設置して効果を検証:ある程度の効果が確認されました。
平成26年度調査報告書(PDF:212KB)
平成27年度調査
内容:家屋への飛来状況、侵入防除対策、室内での捕虫対策の検証
結果
(飛来状況)
- 今年の飛来状況は昨年までと比較し、少なかった。
- 曇りや雨の比較的低温・高湿度の日の後、晴れて高温高湿度に転じると、西風により飛来する。
(侵入対策)
- タープを設置し、サッシからの侵入を阻止:ある程度の効果をが確認されました。
- サッシを隙間シートで目張り:ある程度の効果が確認されました 。
(室内での捕虫対策)
- 粘着シートを窓付近に設置し捕獲:ある程度の効果が確認されました 。
平成27年度調査報告書(PDF:118KB)
対策
調査をした結果、効果的な対策等の情報を以下に示します。
- 発生源となりやすい庭の花壇やプランターは、できるだけ風通しが良い状態に保つ。
- タープを設置し、サッシから侵入を阻止する。
- 忌避剤(虫が嫌がる匂いを出す薬品)を含む虫除けを侵入が多い箇所に設置する。
- 網戸の外で蚊取り線香を焚く。
- 横からの扇風機等で風を当てると侵入防止効果があると思われる。
- 室内が陰圧(外より気圧が低い状態:換気扇などで室内の空気を外に出す場合など)になると虫を吸い込んでしまう可能性がある。
- 窓枠へ殺虫剤を噴霧する。
- 外の窓の下あたりに捕虫紙を設置する。
- サッシの隙間を隙間シート等で目張りする。
- 室内に侵入したコバエは、粘着シートで捕獲する。
市民の皆様からの情報
市民の皆様からコバエに有効だったという対策を紹介します。※使用環境により効果は異なります。
- 蚊取り線香(ローズの香り)を焚く
- アロマを焚く
- 網戸へのハッカ油の塗布
- 網戸への木酢液
- コバエ専用 殺虫剤
市民の皆様にお願い
現在、有効な防除方法がわかっていません。
ご家庭で実践して有効だった室内への侵入対策等の情報がありましたら環境課までお知らせください。