当所では、地場産業の振興支援のため、鉛・カドミウムの溶出試験、スポーリング検査及び機械器具などの貸し出し、その他技術的な相談を受けています。

依頼試験Commissioned Test
鉛・カドミウム溶出試験
食品衛生法で定められている鉛・カドミウムの溶出基準を満たしているか確認するための試験です。
鉛やカドミウムは、鮮やかな色やつやを出すために、陶磁器製品に使われている場合があります。食器に酢の物や果汁など、酸味のある食べ物が触れると、それらが溶け出すかもしれません。
食品衛生法によって、鉛・カドミウムは溶出量が規制されており、一定量を超える製品は販売できません。
この試験では、基準値を下回っていることを調べるため、酢酸を24時間満たして、鉛・カドミウムの溶出量を測定します。
陶磁器製の器具又は容器包装の基準
区分 | 鉛(Pb) | カドミウム(Cd) | |||
液体を満たすことができない試料又は液体を満たした時にその深さが2.5cm未満である試料 | 8μg / ㎠ | 0.7µg / ㎠ | |||
液体を満たしたときにその深さが2.5cm以上である試料 | 加熱調理器具以外のもの | 容量1.1L 未満 | 2μg / ml | 0.5µg / ml | |
容量1.1L以上3L未満 | 1μg / ml | 0.25 µg/ml | |||
容量3L以上 | 0.5μg / ml | 0.25 µg / ml | |||
加熱調理器具 | 0.5μg / ml | 0.05 µg / ml |
ガラス製、ホウロウ引きの器具又は容器包装の基準値等に関してはパンフレット「鉛・カドミウムの溶出基準改正について」(pdfファイル)をご覧下さい。
スポーリング試験(熱衝撃試験)
検体に急熱・急冷による熱衝撃を加え、異常の有無を確認する試験です。
観察精度向上のため、原則すべての検体について染料を塗布いたします。染料は洗浄後も落ちませんのでご了承ください。
熱衝撃試験は次の試験温度差となるよう、検体をあらかじめ加熱した恒温器(ガラスコップは水槽)で保持した後、直ちに水中に投入して欠点の有無を確認します。
日本産業規格(JIS S 2400 陶磁器製耐熱食器)に規定される試験条件
種類 | 使用区分 | 試験温度差(℃) |
直火用(高耐熱) | 加熱調理などの目的で直接火炎に当てて用いるもので、急激な加熱及び冷却に耐えるもの。 | 350~360 |
直火用 | 加熱調理などの目的で直接火炎に当てて用いるもの。 | 150~160 |
天火用(300℃以下) | 加熱調理などの目的で直接火炎を当てない用途に用いるもので、300℃以下の天火での調理に耐えるもの。 | 150~160 |
天火用(200℃以下) | 加熱調理などの目的で直接火炎を当てない用途に用いるもので、200℃以下の天火での調理に耐えるもの。 | 120~128 |
日本産業規格(JIS S 2030 耐熱ガラス製食器)に規定される試験条件
種類 | 使用区分 | 試験温度差(℃) |
直火用超耐熱ガラス製 | 加熱調理用などの目的で直接火炎に当てて用いられるもので,急激な加熱及び冷却に耐えられるもの。 | 400 以上 |
直火用耐熱ガラス製 | 加熱調理用などの目的で直接火炎に当てて用いられるもの。 | 150 以上 |
天火用耐熱ガラス製 | 加熱調理用などの目的で直接火炎に当たらない用途で用いられるもの。 | 120 以上 |
熱湯用耐熱ガラス製 | 上記以外の目的で用いられるもので,熱湯程度の熱衝撃に対し十分耐えられるもの。 | 120 以上 |
日本産業規格(JIS S 2043 ガラスコップ)に規定される試験条件
種類 | 試験温度差(℃) |
ソーダ石灰ガラス製コップ | 35 ± 2℃ |
試験依頼方法等
「鉛・カドミウム溶出試験依頼書」(pdfファイル) (Excel形式)、
「スポーリング試験依頼書」(pdfファイル) (Excel形式)に必要事項を記入し、検体と共にご提出ください。
郵送等でのご依頼も受け付けています。
開放設備
焼成炉やミル等、機器の貸し出しを行っております。詳細はお問い合わせください。
依頼書のダウンロード
原子吸光分析試験依頼書(鉛・カドミウム溶出試験) | Excel |
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スポーリング試験依頼書(熱衝撃試験) | Excel |
料金について
区分 | 料金 | 単位 |
陶磁器技術に関する試験及び試料調製 | 3,140 | 円 / 時間※1 |
陶磁器技術に関する指導 | 1,320 | 円 / 時間※2 |
鉛・カドミウム溶出試験 | 520 | 円 / 件 |
スポーリング試験 | 1,570 | 円 / 件 |
各種証明書 | 300 | 円 / 通 |
※1,2 手数料の単位〔円/時間〕については、担当職員一人が業務に要した時間当たりの料金です。
※1 最大20時間以内です。
※2 最大60時間以内です。
消耗品又は材料費
技術支援に当たり、消耗品又は材料を必要とする場合は、その実費相当額をいただきます。

デザイン依頼Design Request
陶磁器意匠研究所では、様々なデザインに関するご依頼を受託しております。3DCADや3Dスキャナー・プリンターを活用したものから、図案のデザインまで、お気軽にご相談ください。
各種様式のダウンロード
料金について
デザイン支援
区分 | 料金 | 単位 |
デザイン及び試作 | 3,140 | 円 / 時間 ※2 |
デザイン及び成形技術に関する指導 | 1,320 | 円 / 時間 ※1 |
※1,2 手数料の単位〔円/時間〕については、担当職員一人が業務に要した時間当たりの料金です。
※1 最大20時間以内です。
※2 最大60時間以内です。
消耗品又は材料費
デザイン支援又は技術支援に当たり、消耗品又は材料を必要とする場合は、その実費相当額をいただきます。
3Dプリンター使用料
区分 | 料金 | 単位 | |
令和5年7月31日 受付分まで | 令和5年8月1日※3 受付分から |
||
3Dプリンターモデル材 | 47.6 | 54.5 | 円 / g※1 |
3Dプリンターサポート材 | 44.0 | 49.9 | 円 / g※1 |
3Dプリンター出力手数料 | 3,140 | 3,140 | 円 / 件※2 |
※1 3Dプリンターモデル材及びサポート材料費は、事前の見積もりを出すことは出来ません。
※2 3Dプリンター出力手数料は、一回の出力に関わる料金です。
※3 3Dプリンター材料費の販売価格改訂により、8月1日の依頼分から材料費を値上げします。