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User's Voice03 トチケン工房


- 陶芸工房バンクを利用された経緯を教えてください。

(楠)意匠研究所を2014年3月に卒業し、伊勢久株式会社に就職し、陶芸材料、窯業機材などの仕入れと販売に携わっています。研究生の頃から借りていた工房が閉鎖になり困っていた時に、先生から陶芸工房バンク開設の話をうかがい、直ぐに中平さんと登録しました。

(中平)私も意匠研究所を2014年3月に卒業して株式会社マルミツポテリに就職しました。楠君と同じ工房で作業していましたが閉鎖。陶芸工房バンクに登録して直ぐには私たちに合う物件に巡り合えず、窯などの陶芸機材を知人の倉庫に置かせてもらっていました。約1年弱待ってこのトチケン工房と出合い、2019年7月に契約に至りました。

-普段はどのような感じで、この工房で活動をされているのでしょうか?

(楠)卒業後約6年ほど、多治見から名古屋(本社)に通勤していました。仕事と作業の両立が難しく、少し体調を崩したことを機に本社に通っている間は仕事に専念することに決めていました。去年の9月、勤務先が多治見営業所に異動になり、部署も円滑に回るようになって来たので今年の4月くらいから2週間に1回程度工房に来ています。


(中平)私の仕事はシフト制なので、平日にあるお休みを利用して作業をしています。作品展示がある時は、頻繁に工房に来て作業するけれど、それ以外の時は、子育てと仕事があるのでそちらが優先になるかな。でも、朝9時頃に来て午前中いっぱいとか、お昼から来て2、3時間とか、短時間に集中して作業をしています。楠君と工房はシェアしていますが、工房で同時に作業することはほとんどないですね。

- トチケン工房を利用してみての感想など教えてください。

(楠)とにかく、大家さんがとても優しくて。僕が扇風機を切り忘れて帰った時に消していただいたりとか、暑い日には「体に気をつけてね。」とお声がけいただいたりとか。多治見でよく出る黒い小さな虫が大量発生した時には、物を避難させておいてくださっていました。
僕らは窯を4台持っていて、さらにミルなどの陶芸関連機材も多く持っているので、この広い工房に置かせていただけてとても助かっています。
入居契約の際に、電気窯も焚かせていただける許可をいただいたので有り難かったです。

(中平)本当に大家さんに恵まれています。私たちは2人とも仕事を持っているので、毎日来ることはなかなか難しいんです。
例えば、私たちがいない時に雨漏りした時があって、それを見た大家さんが機材にシートをかけてくださったり、作品を移動しておいてくださったりと、とても気にかけてくださるんです。
大家さんのご自宅と駐車場の間に工房があるので、通る時に見ていただいているのかな。でも私たちが集中して作業している時は、声をかけることなくそっとしておいてくださいます。工房も広いし、とても使いやすいです。

-お二人の作品はどこで見ることができますか?

(中平)瀬戸市にある、ギャラリーもゆさんに作品を置かせていただいています。ギャラリーオーナーの野村さんが企画展に誘ってくださったり、ギャラリーのつながりで、京都伊勢丹や東急プラザ渋谷のグループ展に出させていただいたり。今年は残念ながら中止になりましたが、毎年春の多治見陶器まつりのイベントにも参加させていただいています。主にアクセサリーを中心に作っています。詳しくはインスタグラムに上がっていますので、みていただけると嬉しいです。

(楠)繰り返しになりますが、仕事が少し落ち着き制作を再開した所で自身の制作になかなかたどり着けていないというのが実情です。もちろん制作はこれからも続けて行きたいと思っています。まずは制作のペースを掴むために、クラフトフェアに参加したいです。そこから作風を踏まえて公募展やギャラリーも視野に入れ動いていきたいと思ってます。せっかく工房を同期2人で借りているので、今後一緒に何か出来たら面白いですね。SNSを介して作品を出していきますのでお時間ある時に見て下さい。

楠 求  タイトル:茶碗1

中平理恵子  タイトル:ピアス・イヤリング

 

トチケン工房(左:楠さん 右:中平さん

 

- 最後の質問ですが、陶芸工房バンクの良いところ、また今後利用される方へのアドバイスをお願いします。

(楠・中平)Web上で貸工房の物件情報を見られるというのがとても有り難かったです。仕事を持っている人や多治見市外の方など、なかなか現地に来るのが難しい人にとって、詳しい情報が入るので判断しやすいかなと。

陶芸工房バンクを利用する際は、物件に対する優先順位を考えること。特に予算とか、工房の使用頻度など、使う人によって求める物が違うと思うのでそこをしっかり考え、契約の際に大家さんと条件の擦り合わせをしっかりすることが大切です。僕たちの場合は、窯を持っていたのでそれを使えるかどうか、その際の電気代をどのように計算するかなど、契約の際に大家さんとしっかりコミュニケーションを取れたので、今、良好な関係が築けていると思います。


(2020年8月取材)